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鬼剣舞

当ブログでは、岩手県南西部の北上市や特産物、伝統について紹介しています!

その北上市といえば有名なのが鬼剣舞、正式には念仏剣舞の一つですが、威嚇的な鬼のような面をつけ仏の化身として勇壮に踊るところから「鬼剣舞」と呼ばれ、親しまれています。

鬼剣舞は1人が白面、ほかの7人は青・赤・黒の『阿』『吽』の面をそれぞれつけます。この4色は四季・方位を示すとともに悪魔を降伏させ人々を救済する「仏さま」を表わしています。なので「鬼」ではなく「仏」ですから、この面には角がありません。

踊りの演目は一般的に12演目、多いものは18演目にも及びます。これらの踊りの多くは、念仏を唱えての輪踊りですが、祈祷を象徴する踊りや日本刀を使った踊り、宙返りなどの曲芸的な踊りもあり、バラエティに富んでいることも鬼剣舞の魅力です。

演目の種類は踊り組によって若干異なるのですが

1.一番庭 2.一番庭の狂い3.二番庭4.三番庭5.三番庭の狂い6.刀剣舞7.刀剣舞の狂い8.一人加護(ひとりかご)9.ニ人加護(ふたりかご)10.三人加護(さんにんかご)11.八人加護(はちにんかご)12.狐剣舞13.ムギリ14.宙返り15.カニムクリ16.膳舞17.カッカタ18.胴取り19.梯子踊り20.三島踊り

の中の演目で構成されています。演目名からも見られる様にアクロバティックな演舞を見られるのが特徴です。少し何かのゲームやギャンブルの決め手の名前みたいですね。

鬼剣舞は大宝年間(701~704年)と大同年間(806~810年)に念仏を広めるために、唱えながら踊ったりと、悪霊退散や衆生済度の念仏踊り、運気を上げる為に伝えられたのが始まりともいわれています。

市内に12の鬼剣舞団体が活動しているうちの岩崎鬼剣舞と滑田鬼剣舞の2団体は国指定重要無形民俗文化財に指定されています。

主な公演場所は通年では夏油温泉かがり火公演(7〜8月)、北上みちのく芸能まつり(8月)、岩崎二前神社祭礼(10月)なのですが、新型コロナウイルス感染症の影響で4、5月の公演が中止となりました。

そして今年7月は晴れて開催することができ本年度最初の開催は多くの観客が集まり、黒岩鬼剣舞保存会の会員約20人が出演し「八人加護」や「一番庭の狂い」など7演目を勇壮な演舞で披露していました!

新型コロナウイルス感染症の影響で、芸能まつりなど民俗芸能の発表の場が失われる中、なんとかこのブログを通して、北上市の伝統を守っていければと思います。

18 Nov 2020